生徒だけど寮母やります!⁑
自分の教室まで辿り着いて財布を手にした私は、早足で教室を出た
丁度そのとき
入学式でライに猛アタックしていた波屋有姫をはじめとする、女子数人が向こうから歩いてきた
ライをよく取り囲んでいる女子たちだ
「ねぇ、九雷鈴菜マジでなんなの」
人が少ないのをいいことに、大きな声でしゃべっている
「多分苗字からするに同じ雷属性で、それを利用してライに近づいてるのよ」
ライ......
彼女たちは既にライのことを呼び捨てにしているようだ
「有姫、私あの子嫌い!こっちは正々堂々ライたちに近づいてるのに。有姫はあのままでいいの?」
「良くない」
有姫の機嫌は悪そう........
というより、悲しそうだった
「ねぇ、ちょっとこらしめない?九雷鈴菜のこと」
......!!!
こらしめる......?
彼女たちとすれ違った私は、ぴたりと立ち止まった
「いいね、何するの」
「うまくいくかしら」
「ちょっと怯えさせればいいんじゃん」
彼女たちの声が遠ざかって行く
『先生に頼み事をされたから行けなくなっちゃった』
私はスマホで3人のグループチャットにメッセージを送ってから、ひっそりと彼女たちの後をつけることにした