生徒だけど寮母やります!⁑
小さく答えた私に、先生は頷く
「やっぱりお姉ちゃんを、知ってるんですね」
「ええ」
私はニコッと笑顔を作った
「お姉ちゃん、どんな生徒でしたか?」
「ものすごく、思いやりのある子だったわ」
先生の顔がとても切なそうで
私はこの表情から、色々なことを感じ取った
「景ちゃんにはお姉さんがいるんだね」
結斗が言う
「そうなの、私と同んなじシベリアンハスキーのお姉ちゃ......っ、はぁ......はぁ」
「あ......!」
「景ちゃん......!」
結斗が私の身体を支えたとき、
キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴った
「俺は行くね。景ちゃんが保健室にいるってことは、6組にちゃんと伝えるから」
「ありがとうね、連れてきてくれて」
先生が結斗に言う
「いえ、授業終わったらきます」
「結斗......無理しないでね......」
「景ちゃんこそ」
私は結斗が去って行く足音を
しばらく聞いていた