生徒だけど寮母やります!⁑


景のクラスの副担任、斎藤マナは、荷物を抱えて階段を降りていた


さきほどの生徒は本当に大丈夫か


あとからイジメが発覚して、教師のせいになっらたまったものじゃない


自分に害が及ぶことは阻止したかった



それにしても書類の束が重い


これを男子寮Aまで運ぶとは、気が滅入る......


あっ!!!!


気づいたときには遅く、一番上に乗っていた書類の束が落ちてしまった


ああんもう最悪!!!


そのとき、落ちた書類の束を誰かが拾った


長い腕

細くて綺麗な指


マナはその人の方を見た



「............!!!、あ、ありがとう」


確か自分の担当クラスの生徒だ


教卓から遠目に見ていてかっこいいと思った


私だって24歳の女の子だ


近くで見ると......もっとかっこいいかも


髪をサイドで編み込んでいるのもまたツボというか......


確か名前は......


火野ライ



火野ライは、落ちた書類を自分が持っている書類の束の上に置くと、くるりと踵を返した


「ねぇ待って」


火野ライが振り返る


やっぱりかっこいい



「私男子寮まで行くの。一緒に行きましょ。クラスのこと教えてよ」


イケメンといえど、美人教師にはきっと弱い


しかし、火野ライが言ったことは、想定外のことだった
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