生徒だけど寮母やります!⁑
「はぁ......。正直に言えない優しい景ちゃんが、たしかに好きなんだけどね」
「......え」
「こんなときくらい俺らを頼れよな~」
そう言って景は咲夜に頭を小突かれた
「あの、皆?」
「おい、俺らのことな舐めてんじゃねえよ。全部あのクソババアにゲロらせたに決まってんだろ」
全部......
あのクソババア?に
ゲロ......
景はやっと事を理解した
「ごめんね、斎藤先生からどうして景ちゃんが寮母を辞めなきゃいけないのか、実は教えてもらってたんだ」
「教えてもらってた?......よく言うよ......お前らのあの色仕掛けは思い出したくねぇよ......」
二コリと笑って言う結斗に咲夜がげっそりした顔で突っ込みを入れる
「皆......じゃあ知ってるの?全部?」
「景がこうして自分と僕たちに嘘ついて一人で抱え込もうとしてるのも知ってるよ」
グサッ
「う」
「はっきり言いすぎてやるな、狐」
ライが鼻で笑う
「ただ、景ちゃんが実際どう思ってるのか、景ちゃんは今大丈夫なのかが知りたかっただけなんだけどね」
「ま、その笑顔は簡単に剥がれそうだし大丈夫ではなさそうだけどな~」
結斗......
咲夜......
やはり皆のやさしさにはかなわないなぁ
景は改めてそう痛感した
「おいそろそろ結界も限界だ。帰るぞ」
真顔でライが言うと、皆が頷く