生徒だけど寮母やります!⁑




しかしその翌日

景と四人の希望は、あっけなく壊れることになる



「無理ですねぇ、景ちゃんにも言いましたが、そういう問題ではないんだよ。ごめんね」


校長室でその校長の言葉を聞きながら、マナは心の中でガッツポーズをした


「なんでですか!?」

「お願いします」


咲夜と結斗が頭を下げた

ライと爽馬も真剣な表情で立っている


しかしこんなにもこの男子たちが笠上ケイを慕っているとは


すっごく気分悪い……

マナはホッとする反面、とても複雑だった


私がいる前で寮母を戻せなんて言わなくてもいいじゃない


実際、夜だというのに女子寮へ向かう四人には驚いた

まるで自分が止めるのも聞かず、立ち入り禁止の場所へ行ったのだ


しかも結斗には超絶近距離で腕をつかまれて囁かれたり

ライには後ろから腕を回され耳元で囁かれたり



結局すべて言ってしまった


まぁ四人が女子寮まで行ったとして

その後どうなったのかはよく分からないけれど。


とりあえず、あの子がもう一度寮母に戻ることはなさそうね


マナは心の中でつぶやいた



「今まで寮母だった景ちゃんが寮母でいてくれたほうが、僕たちにとっては慣れていて生活しやすいんです」

「言ってることは良くわかるよ。景ちゃんは有能だし、とても良い寮母だったからね」


校長はうむ、と頷いた

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