この気持ちありえないから。
「…」

なんだこれ…全くわからない。
やばいぞ、一桁じゃ…。
どうあがいてもわからないテスト用紙とにらめっこし続けて20分がたった。





「はい。終了。」

絶望。
単語は2問しかわからないし。
長文なんて読めない。
どうしてこんな馬鹿に産まれてきたんだよ…。

「じゃ単語は隣と交換して丸つけて」

隣か。

「はい。」

「…!」

あれ。
今私、海君に渡した?

テストに絶望しててわけわからなくなっていたのだろう。
いつもは交換なんてしないのに。
自分から何やってんだろう。

すこし驚いた表情を見せた海君は私のテスト用紙を受け取り自分のテスト用紙を渡してくれた。

えっ…普通に嬉しい。
いつもビクビクして交換なんてした事なかったのに。

「…」

だが海君のテスト用紙を丸つけしてる時手が震えて変に緊張した。
そして私は悟った。

海君…単語満点だ。

急に恥ずかしさが増してきた。
うち単語2問しか書いてないのに…!

きっと馬鹿な女だと思われたに違いない。
隣を見ると暇そうにペンを回す海君の姿があった。

「はい…」

「…」

安定の無言で交換するとそこには綺麗な丸が2個付いていた。

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