この気持ちありえないから。




「楓!海君とテスト交換してたじゃん!」

休み時間になると愛が笑顔で話しかけて来た。

「うん、交換しなきゃよかった。恥ずかしかった。」

自分の馬鹿すぎる脳。
単語2問。

相手はちょーエリート。
単語満点。

「なに照れてんのー?」

「照れてない、絶望。」

なんて言うと愛は首を傾げて何?と言ったが話すのも億劫だから流した。

「そういや、愛って好きな人とかいんの。」

萌奈の事がふと浮かび聞いてみた。

「いると思う?」

真顔で答える愛を見て私はそくざにすみませんと笑いながら返した。

そんな話をしてるうちにチャイムの音が響く。

その度に私はまた何度目かのため息に溺れて、席に着いた。
< 9 / 46 >

この作品をシェア

pagetop