ブルースター
奥の襖の前で座る

「失礼します、真麻です、ただいま戻りました」

「入れ」

奥から渋い低い声がする
パパの声だ、懐かしい

襖を開けると

かばっ

抱きつかれた

「お帰りっっ、真麻っっ、ひさっしっぶつっっっりつつつっだなっっっ。」

「ただいま、パパ、一人にさせてごめんね」

「そつんなっっことっっ、だじょぉっっっぶっだぁー。」

「フフ、パパ、顔すごいことになってる」

この、顔がすごいことになってるのが
私のパパ、そして、如月組長の、
如月麻斗(あさと)
こんなんで、組長なんて、大丈夫なんですかね?って、思う私。

知らないうちに泣き止んだパパ

「真麻、すまなかった」

そう言って、土下座する彼

「パパ、何に謝っているの?」

「マリアンヌの時何もできなかったから」

「その事については大丈夫、今私達養子縁組してもらったから、後、ママのことについては、どうこういうつもりは、ないわ、だって、二人で決めたことなんでしょう?私は、なんにも言わないわ」

「そうか。そうか。ごめんな、不甲斐ないパパで」

「パパ、私は一度もあなたを不甲斐ないとは、思ったことないわ、ママを愛してたでしょう?」

ゆっくりとうなずくパパ

「なら、ママは、幸せね」

「本当に幸せだったのかな?」

「そんなのは、ママにきいて、
まぁ、これは、おいといて、何時までその顔でいるの? 娘が帰ってきたパーティーを、台無しにするつもり?」

「あぁー。そうだな、いこうか?真麻。」
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