コミュニケーション
教室のドアの方に視線を向けて見ると、
「あっ…」

あたしは思わず声を出した。

そこに、今朝会った異国の硬派系男子…じゃない、芹沢慶太郎くんがいた。

さっきまで平和だった教室の空気は一変、彼の登場にザワついた。

「ヤバいぞ…」

「マズいよ、真里ちゃん」

百花ちゃんと茉莉ちゃんは慌てている。

「おい」

芹沢くんは教室のドアにいた男子を呼んだ。

「は、はい、何でしょうか?」

同い年のはずなのに、何故だか彼は芹沢くんに敬語を使って話している。

言われて見ればだけど、確かに“殺し屋”の空気が芹沢くんから出ているかも…。
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