コミュニケーション
彼の後を追うようについたところは、階段の踊り場だった。

「放課後、時間あるか?」

そう聞いてきた芹沢くんに、
「えっ…ある、けど…?」

あたしは答えた。

「一緒に家きてくれるか?」

「えっ、ええっ!?」

家きてくれるか、って…まさか、ね?

「何考えてんだ?」

…そ、そうだよね。

あたしたち、まだ高校生だもんね…。

「うん、わかった」

首を縦に振ってうなずいたあたしに、
「じゃ、放課後な」

芹沢くんはそう言って、あたしの前から立ち去った。
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