コミュニケーション
「そうか…。

悪いんだったら、さっさと帰って寝た方がいいぞ」

「うん、ありがとう…」

芹沢くんはまた歩き始めた。

あたしは…一体、何がしたかったんだろう?

芹沢くんはあたしのことを心配してくれたと言うのに…。

自分でも訳がわからないこの状況に、もし少女マンガだったら…と現実逃避をして見る。

したところで、どうにもなる訳じゃないけど。

「ここだ」

ついたのは、白い壁が印象的な一軒家だった。

かまぼこ板のような表札に“芹沢”と書いてあるところを見ると、芹沢くんの家のようだ。

同時に、あたしの吐き気がピークに達した。
< 57 / 67 >

この作品をシェア

pagetop