コミュニケーション
芹沢くんの唇が動いたと思ったら、そんなことを言った。

「えっ…?」

「だから…平岡が好きになったんだよ。

同じこと2回も言わせるな、結構恥ずかしいんだからよ」

芹沢くんは手で口をおおった。

顔が紅いのは、照明のせいなのだろうか?

好き――芹沢くんが初めて言ってくれた。

すごく嬉しい…。

これって、何だろ…?

今すぐ空を飛べそうとでも言うのだろうか?

「あたしも」

あたしも、唇を動かした。

「あたしも、芹沢くんのことが好きです」

そう言ったあたしに、
「んなもん、前からわかってる」

芹沢くんが返した。
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