Precious
「すいませんッ!!遅れました!」

二人で叫びながら教室に入る。

しかし教室には誰一人いなかった。

「…あれ…??」

「みんなどこ行ったんだ??」

隼人が窓から乗り出したり、机の下をのぞいたりしている。

「あーッ今日朝礼あるんだよ!」

「あーそっかあ♪ラッキー♪」

「遅刻バレないねぇ♪」

二人だけの広い教室が、妙に心地よかった。
< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop