あなたを待つ夜
「冬休み入ったらすぐに沖縄に帰るの?」

「うん、3日には戻ってくるけどね。豊は年末年始どうするの?」

「俺はハワイだよ」

ああ、聞かなきゃ良かった、と優子は思った。

「そっか。奥さんとお子さんと三人で?」

「まあ、そうかな。本当は行きたくないけどな」

「でもせっかくだし楽しんできてよ」

「うーん…。本当ならお前と一緒に居たい」

豊はテーブルの下で優子の手を握った。

ああ、やっぱりこの人が大好きだ、と優子が改めて思った瞬間だった。
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