あなたを待つ夜
「もう豊の考えてることが分かんない」

「じゃあ優子はどうしたいの?俺と別れたい?」

「そういうことじゃないよ。何でそんなこと言うの。簡単にそう言うってことは私のことそんなに想ってないってことじゃないの」

「何でそうなるんだよ」

「……一人になりたい」

「分かった、じゃあ帰るね。ごめんな」

豊はテーブルに重ねて置いてあったライターと煙草の箱を掴んで立ち上がった。
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