あなたを待つ夜
「もう12年ぶりぐらいか?」と俊。

「そうだはず。(そうだと思う。)あー、びっくりした!」

「お前、内地行ったんじゃなかったか?」

「……色々あって戻って来たさー」

「はーや。(そうなんだ)」

――高校2年の夏……。

優子と俊はクラスメイトだった。

お互いたまに話すだけの仲だったのだが、確かクラス会の帰りに

二人で帰ったんだった。

真っ直ぐ帰るつもりがコンビニに寄り、二人でジュースを買って海で何時間も語り合った。

そこで優子は俊に言われた。

「俺、実は長嶺さんのこと好きだばーよ。(好きだよ)」と。
< 55 / 64 >

この作品をシェア

pagetop