あなたを待つ夜
「最近どんなー?(最近どんな感じ?)」

俊は泡盛の水割りをちびちびと飲みながら言う。

「んー、いま一人で子供育ててるわけ」

「まじな?優子も大変なんだな」

俊はそれ以上は何も聞いて来なかった。

きっと聞くまでもないと思ったのではないだろうか。

それから1時間ほど滞在して俊は帰っていった。

「気まずくなかった?」

友里恵はスポンジに洗剤を含ませながら言う。

「いや、そんなことはなかったですよ。むしろ嬉しかったです。まさかここで会うとは思わなかったですけど」

「いいねえ、高校時代の彼なんて。なんか可愛いね」

「アハハ。懐かしいです」
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