あなたを待つ夜
ある日、優子は仕事中に業務ミスをしてしまった。

豊は人前で優子に恥をかかせない為なのか、誰も居ない給水室に優子を呼んだ。

「まあ、そういうことで、次からは気を付けてね。あとは俺がフォローして報告するから大丈夫」

「本当にごめんなさい。以後気を付けます」

「そんな顔すんなよー。大丈夫だから。頑張れよ」

しゅんとする優子の右肩を豊はぽんぽんと叩いた。

「よし、このあと終わったら飲みに行こう」

「本当ですか?」

嫌だったらいいけど、と豊は笑った。

「渋谷さんが迷惑じゃなければ、是非」

「迷惑なわけないじゃん。よし、とりあえず戻ろっか」

本当に良い上司を持ったな、と優子は豊のブルーストライプの背中を見ながら思った。
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