誰が好きになんてなるかっ!
こんな男にファーストキスを取られてしまうなんて。
私は忘れようと、掃除に集中し続け、気付いたら部屋はきた頃とくらべ大分片付いていた。
柱時計を確認すると、只今の時刻。
7:27
?!?!?7時27分!?
「ヤバいよ桐生君!寮が閉ま…。」
途中で言葉が止まる。
何故なら、桐生君が気持ちよさそうに眠ってるから。
窓が開いていて風でなびくレースのカーテンが顔スレスレで膨らんでいる。
なんていうか…コレは…………………
「なんでこんな、絵になるの…?」
起こしてはいけない気がする。
ふぅ。
「黙ってればカッコいいのに。」
改めてみると、黒っぽい茶色の髪を耳にかけ、閉じているが瞳は明るい茶色。
肌も白いし、鼻の筋もスッと綺麗に通っている。
ふせている睫毛も長い。
「モテるわけね…」