特別なお客さん。〜あなたとの距離〜
誰だろう…そう思いながらレジに行く。

「はい、お待たせいたし…」

とレジに出ると、まさに昨日会っていた人だった。

「誰かと思えば…」

「昨日聞いてなかったけど今日バイトあったんだ。」

「うん。」

”昨日”と言われるだけで思い出してしまう。
2人でご飯に行ったこと。もうそれだけで幸せだったんだから。

「何時まで?」

「あ、今日はラストまで。」

「じゃあ、待ってるね。」

バイト後に会うのが当たり前かのように言ってくれる。

「う、うん。わかった。」

「でさ……あ、後ろ並びだしたか。じゃあ、また。」

何かを言いかけた大原くんだったけど、後ろに何人かお客さんが並び出したから、そのまま店に戻っていった。


「いらっしゃいませ、お待たせ致しました!」

何を言いかけたのだろう。

というか、わざわざレジで聞いちゃう!?
私のこと!!

いるかどうか!



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