特別なお客さん。〜あなたとの距離〜

「うん。大原くん、今日買いに来たでしょ？あの後、うちのバイトの高校生が言ってたの。」

「ふーん。俺以外にもイケメンはいるぞ、あの店。」

あまり喜んでもない？ってまあ、大原くんの性格だと、そういうの面倒くさいとか思ってそう。
イケメン店員、と言われて素直に喜びそうな感じではないよね…。

「そういう宮下さんだってさ…」

「え？私？」

「あ、えっと…」

誤魔化すかのように缶コーヒーを口にする。

「何？私がどうかした…？？」

すごく気になるじゃん！！

私は横に座る大原くんに近寄った。


「いや…えっと……宮下さんも……同じ感じで言われてる。」


「え？」


「パン屋に…笑顔の素敵な……可愛い店員さんがいる、って。」


「へ？」