特別なお客さん。〜あなたとの距離〜
付き合うことになってから初めて今日は会う。
バイトの前に一緒に勉強をする。

「あ、ごめん、遅くなって。」

「全然大丈夫！」


大原くんを見て"彼氏"なんだな、と思うと少し恥ずかしくなった。

なんだか大原くんも少し恥ずかしそうな感じに見えた。


「あそこの席でする？勉強するのに場所的にもちょうど良くない？」

「私もそう思う。あそこにしよう。」


私達は資格の勉強を始めた。

さらさらと問題を解いていく大原くん。
それに比べ私はなかなか理解ができず、問題を解き進めていくことができない。

「…どこかわからないところある？」

私の手の動きがないのが気づいたのか、大原くんから声をかけてくれた。

「…うん。この計算問題なんだけど、そもそもこれが何なのか理解できてないから…」

「え、どれどれ？」

そう言って同じ問題集を2人で覗き込む形になり、自然と顔も近くになる。

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