特別なお客さん。〜あなたとの距離〜
ーcolor


レジにはいてなかった。


いてるはず…。


そう思って店内を見回る。




(あ、いた…!!)


段ボールから商品を出していた。
青いセーターがよく似合っている。

棚の方を向いているから、私からは横顔しか見えない。

少し見惚れていると、大原くんがこっちを向いた。


「あ……」

目が合った。


「……宮下…さん?」

「バイトまでまだ少し時間があったから…時間潰しに…」


と言って、大原くんを見ると…固まったままの大原くん。



ん?どうしたんだろう?
と思って私は首を傾げた。



「あ、ごめん。なんか昨日と雰囲気違うな〜と思って…。」



あ、そっか。私服だし、昨日よりメイクとか頑張ったし…。

昨日はバイト終わりだったしね。

「私服だからかな??私はバイト中制服で帽子被ってたりするから…かな?」

「私服だとまた雰囲気変わるね。」

そう目を見て言われるとドキッとする。



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