僕らのはなし。①
1.日常&嵐。
私の名前は、星野 湊ーホシノ ミナトー。
高校2年生。
私の学校は普通じゃない。
どう普通じゃないかというと、凄いお金持ち学校で有名で、生徒の9割がお金持ち。
1割が何かずば抜けた才能を評価されて、特待生として入学を許された人。
でも、庶民の肩身はやっぱり狭い。
そういう私も庶民の1人。
何を評価されたかというと…幼少の頃から習ってたピアノ。
一般家庭の生まれだけど、ピアノだけは誰にも負けた事がない。
この学校に通い続けるには家の経済力では無理だから、ピアノで結果を残さないといけない。
大好きだった。
ただ、弾いてるのが。
だけど、何かを得るための手段になってしまった。
望んだわけじゃない。
普通の学校でよかった。
だけど、高校受験の時にこの学校からスカウトされた。
誰よりも喜んでくれたのは、ずっと楽だとは言えない家計をやりくりしてピアノを続けさせてくれたママと仕事の愚痴なんて一切言わず家族のために働いて応援してくれたパパ。
そして、少しませてるけど、何だかんだ慕ってくれる可愛い弟だった。
そんな家族の姿を見て、嫌だとは言えなかった。
でも、ピアノの為だけに時間を使える程、裕福な家庭ではないから、ピアノのレッスンは週3日。
他の日は学校が終わるとすぐバイト。
そんな生活を続けている。
うちの学園には、そんな私とは真逆のお金持ちの9割の中でも、経済力も容姿も運動神経もずば抜けた4人組がいて、special Jr.を略して、SJと呼ばれている奴らがいる。
大財閥の子息の伊崎 純ーイサキ ジュンーと今でも政財界や法曹界に顔が聞く元総理大臣の孫である結城 時雨ーユウキ ジウ-と世界有数の画家の血筋で生きる人間国宝の孫で、自身もかなり画家として高評だと言われる四宮 陣ーシノミヤ ジンーと表の世界ではレストランやホテルをいくつも経営していて、裏の世界ではかなり名の知られたマフィアのボスと噂される人の息子の神崎 新ーカンザキ アラターの伊崎 純をリーダーとする4人で構成されている。
この学園も伊崎財閥のものなので、誰もこいつらに手が出せない。
でも、私はそれが間違ってたんだと思う。
何故なら、彼らの機嫌を損ねたら、それが些細な事でもいじめにしては酷すぎる程の制裁が下されるから。
ある日、突然机に菊の花が活けてある花瓶が飾ってあって、それを合図に全校生徒が敵に回り、集団でいじめが始まる。
そんなのおかしい。
何でそんな奴らの顔色窺って暮らさないとダメなんだって思う。
でも、皆彼らに憧れ、彼らのbackを恐れて、何も出来ない。
ほんと意味不明。
だけど、私も結局のところ、家族や周りに被害が行かないように、目立たないように生活してる。
昔の私が今の自分見たら、きっと怒るだろうな。
私は間違った事は間違ってるって、ハッキリ言うタイプだったから。
あんな奴ら、殴り飛ばしてただろうし。
そう思ったら、何かムカついてきた。
でも、我慢我慢。
そんな私がまさか、奴らに目をつけられる出来事がもうすぐそこまで来てるなんて、思いもしなかった。
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