僕らのはなし。①
「そろそろ戻るか。」
「うん。」
ほとんど言葉は交わさなかったけど嫌な雰囲気でも居心地悪くもなかった。
気まずくもなくて、ただ伊崎のこれまでの行動をぼんやり綺麗な海を見ながら帰ってきた。
「あっ、戻ってきた!!
湊ー!!」
車から降りたら、柚瑠の声が聞こえてきて、そっちを見ると皆が出迎えてくれた。
「何処行ってたの?」
「えっ、…ちょっとね。」
一瞬そう聞かれて、3人と話してる伊崎を見て言わない方が良いと思って、曖昧に答えた。
「まぁ、良いや。
お昼一緒に食べようと待ってたんだよ!!
ご飯の後は海で遊ぼう??」
「ありがと。
うん、遊ぼう!!」
柚瑠と中に入っていって、皆でご飯を食べると、着替えに行った。
水着に着替えたけど、そのまま出ていくのはちょっと恥ずかしかったので、上から半袖のTシャツと短パンを着用して出た。
柚瑠も同じように水着の上にパーカーと短パンを着用してた。
「凄い日射しだね。」
「ちゃんと日焼け止め塗らなきゃ。」
真っ白な浜辺に人数分間隔を開けて置かれた、ビーチチェアの1つに座りながら、柚瑠とそう話して日焼け止めを塗る事に。
パラソルもちゃんと立ててあるんだけど。
「手伝おうか?」
声がした方を見ると、四宮さんがそう柚瑠に話し掛けていた。
「ねぇ、」
「ん?」
「何か2人、最近変じゃない?
どういう関係??」
隣に居る伊崎に小さな声で話し掛け、そう言った。
だって、変だから。
私が知ってる限り2人が会ったのは、3回なはすなんだけど。
「どういう関係って…ただの知り合いだろ?
何が変なんだ??」
「何か私が知ってる限り2人が会ったのは、聖奈さんのパーティーの時とこないだの騒ぎの時と今回四宮さんに連れて来られた時の3回なはずなんだけど。
しかも、パーティーの時は話してないし、今回も柚瑠を連れてこさせたのあんたでしょ?
それにしちゃ、親し過ぎない??」
「確かに。
でも、昨日今日過ごして気を許したからなだけじゃないのか?」
「そうかな?」
コソコソ小さな声でそう話した。
でも、伊崎の言葉に何処か納得出来ないで居た。
まぁ、柚瑠は警戒心の強い真面目な子だから、四宮さんにおちるなんてないよね。