僕らのはなし。①


翌日…朝食に集まった私と柚瑠、四宮さんと神崎さん。
伊崎が来ないから、四宮さんが連絡した。

「そうですか。
わかりました。
…駄目だ。
今朝早く先に帰ったらしい。」
「1人でか?」
「あぁ。
何考えてんだ、アイツ。」
「星野、何か心当たりないか?」
「えっ、…分かりません。」
神崎さんに聞かれたけど、それしか言えなかった。

心当たりは勿論ある。
だって私のせいだから。

でも、それを言う事は出来なかった。


「私、部屋に戻りますね。」
私は早々に席を立った。

遅れてきた先輩とすれ違ったけど、一礼しただけで何も言葉は交わさなかった。


私達も帰る事になって、身支度して神崎さんの自家用機に乗り込んだ。

「あれ?
それ…」
飛行機の中、隣に座ってた柚瑠が大事そうに手に持ってた物を見て驚いた。

私が伊崎に貰ったブレスレットと同じデザインのブレスレット。


「雑貨屋さんで買ったの。
あの島で取れる石で出来てるらしくて。
このブレスレットを渡して、好きな相手の幸せを願うと叶うってジンクスもあるみたい。
でも、何かブレスレットって手錠みたいだよね。」
そう笑って言いながらも、大事そうだった。


柚瑠も渡したい相手が居るのかな?

そう考えながらも、頭の片隅には同じものをくれた男の事があった。




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