僕らのはなし。①
11.すれ違いと勝負。
翌日…気まずいながらも学校へ。
もうこういう問題が起きた時に、相談出来る友達が居ないと思うと少し心細いけど、私は休んでられないから。
まだ伊崎は何もしていないのか、朝登校するとわざとらしく休んでた私を心配する人や登校した事を残念がる人が居た。
問題が起きたのは、昼休憩の時…屋上で1人ご飯を食べてると放送がかかった。
「突然だが、皆にSJより報告がある。
本日をもって結城 時雨をSJから除名処分とする。
あと、星野 湊と結城 時雨を数日中に退学処分とする。
以上。」
放送でいきなり告げられた私達の処分。
吃驚したけど、私は別に構わない。
けど、結城先輩を除名と退学処分なんて。
友達なのに。
あっでも、私のせいか。
でも何とかしなきゃ…。
「よっ!」
「よっ!」
そう考えていると、結城先輩が屋上に来た。
「…って、言ってる場合じゃないですよ。
今、放送で。」
「緊急事態みたいだね。
まぁ俺もだけど。
君は毎回だね。」
「ごめんなさい。
私のせいで大変な事に。」
「そんな事ない。
俺がしたかったからしただけだから、君は悪くない。」
私は結構焦ってるけど、先輩は冷静にそう言ってくれた。
「私は別に退学でもしょうがないけど、先輩まで除名退学処分なんて。
やり過ぎです。
まさかホントにはやらないですよね?
友達なんだから。」
「いや、アイツは有言実行タイプだから、やると言ったらやるよ。
きっと……。
でも、理由が出来たから、俺も簡単にはそうはさせない。
何とかしてみるよ。」
「私も何とか話してみます。」
「無理しなくて良いから。
純、今頃こんな顔して怒ってんだろうな。」
先輩は足下に落ちてた白っぽい石を拾って、地面に伊崎の怒り顔の絵を描いてそう言った。
「いや、もっとこうじゃないですか??」
私も石を拾って、もっと酷い顔に描き足した。
さっきまで笑えてたのに、伊崎を想うとやっぱり涙が自然に出るのを止められなかった。
「ごめんなさい。」
「大丈夫だから心配しないで。
暗い顔せず笑ってて。」
申し訳なくなって謝る私の頭を優しく撫でてそう言うと先輩は戻っていった。