僕らのはなし。①


その後、私は教室には戻らず、レッスン室に行った。

いろいろ考えたくて。

ピアノを弾きながら、伊崎の事や先輩の事を考えた。



放課後、教室に一旦鞄を取りに戻ると、いつもの女子3人に囲まれた。

「ちょっと!」
「アンタ、一体何したのよ!!」
「アンタのせいでSJの皆様の関係めちゃくちゃじゃない!!」
「アンタごとき庶民が関われる人達じゃないのに。」
「アンタがやめるのは勝手だけど、結城先輩まで巻き込んで。」
「どう責任取るつもりなのよ!!」
そう一気に詰め寄って捲し立ててきた。


「俺が責任取るよ。
どうすれば良い??」
急に違う方向からそう落ち着いた声が聞こえてきた。

「結城先輩!!」
「目を覚ましてください。」
「こんなゴミみたいな子の為に何で先輩が??」
「君達こそいい加減にしたら?
俺は星野を君達より下だなんて思ってない。
むしろ、低俗なのは君達なんじゃない?
自分のした事は自分で責任取れるし。」
「先輩、これ以上この子かばうなら、もうフォローしきれません!!」
「要らないよ。」
「きっと後悔しますよ。」
そう言って、3人組は泣きながら出ていった。

「先輩、どうして??」
「何か聞こえてきたから。」
先輩は呆然と聞いた私に微笑みながらそう言った。

私が気にしないように。

きっと先輩の方こそ、今辛い時だろうに。



「大丈夫。
気にしないでいつもの君で居て。
じゃあね。」
そう言うと、先輩は教室から出ていった。

私も身支度して帰る事に。




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