僕らのはなし。①
12.初恋のピリオドと大切な気持ち。
あっという間にデートの日が来てしまった。
「デート…って、ホントにするの?
先輩と??」
正直先輩は私の初恋の人だから、嬉しいって気持ちもあるけど、どうしようって戸惑いの方が大きいし、何処か未だに現実感がしなくて。
部屋で1人、布団にくるまり慌てていた。
結局悩みに悩んだ末、胸元がレースでフリルの袖のアイボリーのブラウスと7部丈の薄い水色のジーパンにボーダーのバレーシューズにベージュのショルダーバックという可愛いめのファッションにした。
まぁ、これなら動きやすいし、何処に行っても浮かないよね。
部屋からソーッと家の中の様子を伺う。
誰も居ないようなので、コッソリと玄関へ向かった。
「湊、何処行くんだ?」
「えっ、バイト??」
「その格好で??」
パパに聞かれ、思わずそう嘘をついたけど、今度はマコに突っ込まれてしまった。
てか、皆何処に居たんだか…。
神出鬼没か??
「デートでしょ?
お相手は??」
「…結城先輩。」
「姉ちゃん、ミニスカートとか履けば良いのに。」
「可愛いけど、色気は微妙ね。
ちょっと来て??」
そう言って、何故かリビングにグイグイ引っ張られた。
「それにもう少しお化粧もいつもより力を入れてみたら?
デートなんだから。」
そう言って、ファンデーションだけだったのにママにアイライナーとかシャドウとかグロスとか、いろいろ手を加えられてしまった。
聖奈さんにパーティー時にメイクしてもらって以来のちゃんとしたメイクを。