僕らのはなし。①
2.初恋。


次の日は制服が昨日汚れていたので、クリーニングに出してから私服で学校へ向かった。

多分目立つと思うけど、一応Yシャツとプリーツスカートとカーディガンで制服っぽい服装を選んだつもりだ。

これで注意されたら、アイツを恨むとしよう。

そんな馬鹿な事を考えながら登校した。


相変わらずの無遠慮な視線も、嘲笑を浮かべる生徒の顔にももう慣れた。
まぁ、ムカつくのは変わらないけど。

いつも通り静かに教室まで歩き、席についた。
足をよく引っ掛けられそうになるから、十分に気をつけて。
逆に踏んづけてやりたい気持ちも抑える。

やっぱりちょこちょこ行われるいじめに腹立つけど、反応するとますます面白がるので無視した。

その日は授業が終わると直ぐに制服を取りに行って、バイトに向かった。


数日後…
放課後を迎えて、レッスン室に行くとゴミがいっぱい捨ててあった。

どうやって入ったのかなんてどうでも良い。

ただただ、悲しくなった。
私にとって此処は凄い大切な場所だから。

だから、掃除も業者さんがやってくれてても自分でもしたし、ピアノはとっても大事なものだから、こんな風にゴミを乗せられたりしてるのを見て、涙が込み上げた。


でも、泣いたら駄目だ…。
こんな幼稚な事しか出来ない奴等に負けちゃ駄目だ。


そう言い聞かせ上着を脱いで腕捲りすると、黙々とゴミを片付け、掃除機をかけた。

結構な量で、ゴミ袋2・3袋くらいになったのを裏のゴミ置き場に出しに行った。


すると、急に空き倉庫の中から人が出てきて、直ぐに倉庫の中に引っ張りこまれた。

「ちょっ、何?
離して!!」
「煩い!!」
「黙ってろ!!」
薄暗い倉庫の中、奴等は3人居て…一人が私の足を、もう一人が私の腕を、最後の一人が私の口を塞いだ。

「さて、誰からやるんだ?」
「俺??」
「はぁ??
お前の後とか嫌なんだけど。」
勝手に何かの順番を相談し始めた奴等。

さすがに何の事か分かったので、さっきより激しく暴れたがなかなか拘束がとけない。

「てか、失敗なんかしたら、俺らが殺される。」
「とりあえず脱がせ。」
そう一人が言って、3人がかりで私を押さえながら、ベストを脱がせ、Yシャツのボタンにも手をかけた。


誰か、助けて!!

さすがに涙が少し溢れそうになりながら、心の中でそう叫んだ。


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