僕らのはなし。①
プラネタリウムを見終わってから出ようとすると、ふと館内の掲示板が目に入った。
そこにはお知らせ用の掲示板と昔からお客さんのメッセージを展示する用の掲示板があって、いつもはあんまり見ない。
たまに星関連の新聞の記事とかの掲示くらいしか。
だけど、何となく見てみると…アイツのがあった。
いつ書いたんだろう?
そこには…
『星野へ。
初めて2人で過ごした夜。
風邪引いたけど、楽しかった。
きっと忘れない。
伊崎 純』
そう書いてあった。
「どうかした?」
「えっ、ううん。
何でもない。」
「じゃあ行こう。」
「うん。」
先輩は立ち止まってる私に不思議そうに聞いてきた。
でも、私はちゃんと答えなかった。
先輩についてくと、何故か近くの駐輪場にとめてあったバイク。
それに2人乗りして、何処かに向かって走った。
何処に行くのか聞いたけど、先輩は答えてくれなかった。
暫く走って到着したのは…何か和洋折衷な感じのお庭も広そうな、かなり大きな建物。
「ここどこ??」
「俺の家。」
入り口前に停まったバイクから降りると、ヘルメットを取りながら聞いたら、ただそれだけ答えた先輩。
驚きながら、もう一度建物を見てるうちに、鍵を開けて入っていった。
「お邪魔しまーす。」
戸惑いながらも、中を伺うようにそう言って、先輩について中に入っていった。
中に入ると、廊下もかなり広いし、誰の趣味なのか分からないけど、結構高そうな骨董品などが飾ってあった。