僕らのはなし。①
『一緒に遊ぼう?
学校の体育館で待ってる。』
メールを開くとそう書いてあった。
「チッ…アイツ、誰に向かって命令してやがる!!」
ぶっ飛ばしたくなるくらいムカついて、携帯を叩きつけたい衝動を抑えるのが大変だった。
「…で、急に呼び出しやがって。
何のつもりだ?
大人しくデートの続きでもしてろ。」
3人で向かい、時雨の正面に立つとそう言ってやった。
「そのつもりだったけど、あんまりにもつまらないから抜けてきた。」
「時雨、やめろ。」
「軽いんだよね。
強気なのは見た目だけで、簡単に家まで着いてきた。」
「時雨!!」
時雨の言葉に更に怒りがわいたけど、2人に止められ手が出せなかった。
「聖奈の代わりに付き合ってみるつもりだったけど、無理だった。」
「この野郎…。」
それから、バスケでの勝負が始まった。
必死にボールを奪おうとするけど、なかなか取れねぇ。
時雨は結構文系に見えて、運動もかなり出来るから。
それでも必死に食らいついた。
「もう1回言ってみろ!!」
「お前には関係ないだろ??」
「関係ねぇわけねぇ。
アイツは俺の大事な奴だ。
例えお前が俺の親友でも傷つけるのは許せねぇ。」
苛立って時雨を突き飛ばし、俺は時雨を殴りまくった。
「純、やめろって。」
「時雨もだ。」
「はぁ…なら最初からそう言いなよ。」
「はぁ?」
暴れる俺を必死に時雨から引き離した陣と新の制止に続けて、聞こえてきた言葉に意味が分からず苛立ちを隠す事なく聞き返した。
「星野の事…諦めきれないんだろ?
此処までさせるなよ。」
「お前…頭おかしいんじゃねぇのか?
クソが。」
散々振り回されたから、コイツが結局星野を手放したのは分かったけど、そうとしか言えなかった。
新と陣は俺に殴られていろいろと傷だらけの時雨に歩み寄っていつの間にやら仲直りしたのか普通に接していた。
「純、星野の事傷つけるなよ。
もしもの時は俺が星野を奪うから。」
「渡すわけねぇだろ。」
嘘なのか冗談なのか分からないが時雨がそう言ってきたので、俺も笑みを浮かべて余裕を装いながらそう返した。