僕らのはなし。①


ー湊sideー


私はデートの後、家に帰っていろいろ思い出していた。

伊崎の事。


2人で過ごした夜の事や、何回もすれ違ったりたくさん喧嘩もした。

だけど、アイツは真っ直ぐで花の事件の時は必死に守ってくれた。
好きだって言ってくれた。

なのに、私は一度もちゃんと返せてない。


「伊崎…ごめんね。」
後悔しないなんて、あの夜思ってたけど、アイツに好きだってちゃんと言わなかった事、後悔してた。

今日改めて、私はアイツが好きなんだって分かったから。
ううん…。
ホントは分かってたけど、自分の気持ちに気づかないフリしてただけなのかも。


♪~
自分の部屋で1人でそんな事を思っていると、携帯の着信音が鳴った。

しかも、伊崎専用の。

「ふぅ…。
もしもし、何?
今あんたと話して嫌な気分に…」
「もしもし?
星野?
俺、四宮だけど。」
「えっ、」
伊崎だと思って喋ってたのに、相手が四宮さんでかなり驚いた。


「大変なんだ!
純が…事故で総合病院に運ばれた!!
すぐ来てくれ!!」
「えっ、ちょっ」
大丈夫なのか状態を聞こうと思ったのに、あっという間に電話は切られてしまった。

もうお風呂入っちゃったから素っぴんだし、服も部屋着だけど気にせず家から飛び出した。


汗を少しかいたけど、気にせず病院まで走った。






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