僕らのはなし。①
「何だあいつ?
遅れて来たのに謝りもなしか??」
「うん。
柚瑠の彼氏だからもっとちゃんとした人だと…。
伊崎、嫌なら帰る?
無理しなくていいよ??
私から上手く言っておくから。」
「いや。
このまま行ってやる。
庶民のデートに付き合うって行っただろ。
行くぞ。」
これ以上伊崎が機嫌悪くなるのも嫌だし、不快な思いもさせたくなかったのでそう言うと、意外にも奴の決意は固いらしく断ってきた。
本人がそう言うので伊崎の後ろをついていく。
行きの電車の中でも橋本はあんまりテンションは変わらず、それどころか努めてたまに会話に参加する伊崎を茶化す始末。
いつ伊崎が爆発して手が出てくるかと、橋本除く私達はヒヤヒヤしていた。
暫く電車に揺られ、遊園地についた。
「かなり久しぶりなんだけど。」
「橋本くんも?
私も!!
最後に来たのは中学の時にグループで来た以来かな??
ねっ?湊。」
「そうだね。」
橋本くんの言葉に続いて柚瑠がそう答え、私に同意を求めたのに頷いた。
そうだった。
あの時、柚瑠とあの人達に連れて来てもらったんだっけ。
ある人を思い出して、懐かしいのと同時に今どうしてるんだろうって思った。
暁ちゃん…元気かな?
私達より8歳年上の彼は私の大切な人の1人で、今はやりたいことを見つける為に放浪中。