僕らのはなし。①
気づいたらもう夕方で、園内のレストランに入った。
「何だこれ??」
伊崎はこういうレストランは初めてのようで物珍しそうにメニューを眺めていた。
「これはステーキ系のセット欄でご飯かパンで選べるみたい。」
「こんな安くて美味いのか??」
「伊崎くんってホントお坊ちゃんなんだね。
普段どんなもの食べてるの??」
「どんなものって…そんな変わらないんじゃないかな。
値段は桁違いに違うけど…。」
伊崎の気にしてるのを説明していると、不安そうに伊崎が言った言葉にまた絡んできた橋本。
伊崎がイラッときたのにいち速く気づいた私は代わりに答えた後、小さく呟いた。
柚瑠と私はオムライスとスープのセット、伊崎はトマト系のスパゲッティとパンのセットで、橋本は海老ドリアとサラダとパンのセットに、それぞれドリンクバーもつけて注文した。
「じゃあ俺達で言ってくるよ。
ねっ?伊崎くん。」
「はぁ?」
「いや、私達も自分で取りに行くから大丈夫だよ??」
「良いから。
女の子達は座ってて??
行こ行こ!!」
そう言って、伊崎の腕を掴んで立たせると引っ張っていってしまった。