僕らのはなし。①


「あれから、全然連絡取れないの。
電話出てくれないし、メールも返してくれない。」
バイトが休みの日…私達は気分転換でケーキを食べる事に。

席に座り注文が終わると、悲しげに柚瑠がそう言った。


「ごめんね。
やっぱり誘わなきゃ良かったね。」
「ううん。
あの日、伊崎さん湊に合わせようって頑張ってたもん。
きっと橋本くんが何か怒らせるような事言ったんだよ。」
柚瑠に申し訳なくて謝った私にそう言ってくれた。


「そうだとしても、いきなり殴っちゃダメでしょ??」
「うん。」
「柚瑠…待ってて。
アイツに絶対謝らせるから。」
「湊…。」
いつも可愛い柚瑠の笑顔に影を落とすなんて許せなくてそう言った。



「こんにちは。」
「星野?」
「どうした??」
「伊崎に話があって来たって伝えてください。」
「は?居るけど。
…だってよ。」
始めは皆の溜まり場に入ってきて早々に、伊崎の方を見もせずにそう言った私に、3人は困惑してたけど、神崎さんがそう言ってくれた。

「こっちは話す事なんかないって伝えろ。」
「だって。」
「ムカついたからって理由であんなに殴りつけるって何処の決まりなのか聞いてもらえます??」
「お前またやったのか??」
「いい加減にしろよ。」
私が伊崎に問いかけると、2人が話の内容が大体読めたのか、諸悪の根元の伊崎に呆れたような言葉を浴びせた。


「俺は別に間違ってねぇ。
寧ろ、ごみ掃除してやったんだから感謝してほしいくらいだって言え。」
「馬鹿は休み休み言えっていってくれます??」
「だって…てか自分等で直接話せよ。」
近くにいるにも関わらず、自分を通して会話をする私達に煩わしさを感じたのか呆れたような感じで神崎さんにそう言われた。


「はぁ…結局合わせるなんて無理なのね。
伊崎、別に私の事ではいくら言ってくれてもかまわないけど、どうして柚瑠が悲しまないといけないの??
これが最後の警告だと思って聞いて。
ちゃんと橋本くんに謝って。
じゃないとホントに終わりにするから。」
「ちょっと星野?」
「落ち着けって。」
「誰が謝るか。」
「そう…分かった。
じゃあもう話しかけないで。
さよなら。
お騒がせしました。」
四宮さんと神崎さんが私の言葉に、落ち着くように言ってきたけど、続いて聞こえてきた伊崎の言葉に、私の中でもこれ以上話しててもこいつは謝らないんだろうと悟った。

なので、一方的にそう言い捨てると、3人には謝ってその場を後にした。

2人が何か言ってたけど、立ち止まる事はなかった。

結城先輩は始めは吃驚してたみたいだったけど、最後まで何も話さなかった。



< 158 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop