僕らのはなし。①
「答え次第で対応が変わるって事。
柚瑠に連絡してこないのは何で??」
「必要ないだろ。」
「…どういう事??」
「はっきり言わないと分かんないのか?
もう会う気がないって事。
迷惑なんだよ。
ちょっと暇潰しに付き合っただけで本気になられても。
何回も連絡してくんなよ。
ストーカーかよ。」
私の質問に答えた言葉の意味がよく分からず、不安げに小さく聞き返した柚瑠に馬鹿にしたようにそう言った。
さすがに許せなくて、男に蹴りを2発入れてやった。
「なっにすんだよ!!」
「答え次第で対応が変わるっていったはずだけど?
1発目は柚瑠の分。
2発目は私の彼氏の分よ。
柚瑠の前に今度現れたらただじゃおかないから。」
思わぬ衝撃に倒れた橋本が怒鳴りながらそう言ってきたけど、こっちの方が怒りは強く、声を抑えつつも威圧感を込めてそう言った。
「見ないでいただけます??」
驚きにポッカリ口をあけてボーッとこっちを見てる女に向かって黒い笑顔をうかべてそう言ってやった。
「柚瑠…大丈夫??」
少し離れたところまで柚瑠を引っ張ってくると、心配になったのでそう聞いてみた。
「フッ…大丈夫。
ごめんね、何か巻き込んじゃって。」
「そんな事…。」
「でも良かった。
やっぱり伊崎さん悪くなくて。」
「柚瑠…。」
自分が傷ついたにも関わらず、私達の事を気にしてくれる柚瑠を思わず抱き締めた。
「湊…行くとこあるでしょ。」
「でも…。」
「謝りに行きなよ。
私は大丈夫だから。
そういうのは機会を逃すと二度と戻れなくなるよ。
私が恨まれそうだし、行ってきて?」
私が自分を気にしてるのが分かってる彼女は、わざとおどけたようにそう言った。