僕らのはなし。①


始まって直ぐに彼女を落としてしまうカップルも何組か居て、だんだん減っていき残り4組となった。

「残り4組ですね。
それじゃあ軽く屈伸してみましょう。
1・2!
もう一度。
1・2!!」
何回かそれを繰り返していると、4組のうち2組が崩れ…彼女が彼氏をおんぶしてる隣と私達だけになった。

「残り2組ー!
じゃあ片足あげてみましょー。」
伊崎は大分疲労が溜まってきたみたいで、汗もかいてるようだった。

「なぁ…俺がここの後継者ってばれたら、明日の経済誌の1面になっちまう。」
「喋ると疲れるから黙ってて。」
「タブレットくらいやるから。」
「自分の力で手に入れたいの。」
「俺の力だろ??」
そんな風に言い合いつつもゲームに参加していると、凄い強い視線を感じて見てみた。

すると、以前伊崎の家で見かけた怖いくらい美人なマダムが、凄い冷たい目でこっちを見ていた。

「ババァ…。」
そう伊崎が呟くように言った。
やっぱり伊崎のお母さん。




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