僕らのはなし。①
17.救世主と災難。
翌日…やっぱり昨日の伊崎のお母さんの話が気になって、モヤモヤしながら授業をサボってピアノをひたすら弾いていた。
さすがに気がついたらもう21時で帰る事に。
すると、校内を歩いているとピアノの音が聴こえてきた。
誰が弾いてるんだろうって思って聴こえる講堂の方へ歩いていって中に入ると、結城先輩がピアノを弾いていた。
先輩が奏でるメロディーは何処か落ち着く感じで。
音を立てて邪魔しないように静かにゆっくり近づいていった。
「チケットは?」
だけど、先輩は何気に鋭いから気づいたみたいで、途中でやめてこっちに振り向きそう聞いてきた。
「えっ?
ないけど。」
「なら、楽譜めくってくれる?」
「うん。」
驚いたけど、何かここに居て良いって許されたらしいから、隣に座って楽譜をめくるのを手伝った。
けど、途中から私も弾きたくなっちゃって、一緒に弾いた。
何か楽しかった。
結局その後、送ってもらった。