僕らのはなし。①
「ありがとう。」
「うん。
…何?」
いろんな意味を込めてお礼を言って、先輩を見つめていると頷いた後にそう聞かれた。
「何か不思議だなって。
私が苦しい時とか悩んでると先輩が現れて、励まされてる気がする。
何かレスキュー隊みたい。」
「そう?
じゃあ、星野のレスキュー隊にさせて。」
「フッ…ありがとう。」
本気なのか冗談なのかは分からないけど、いつも先輩には助けられてるからそう言ってくれて嬉しかった。
「ただいまー。」
「ッグス。」
「ウゥッ…。」
家に入ると、何かリビングの方から嗚咽や啜り泣きのような声が聴こえてきた。
「ちょっ、どうしたの?」
「うわーん。
酷いよ!!」
「ウゥー。
パパが今日急に会社クビになったって。」
「グスッ」
リビングに行ってみると、家族全員が泣いてたので聞いてみると、そういう事だった。
パパが会社クビになったなんて。
あり得ないとは言えないけど、突然過ぎる。
何より、このタイミングでっていうのが、ある人物の仕業としか思えなかった。
「パパ…。」
「この20年会社の為に身をこにして働いてきたってゆうのに…。」
私が声をかけると、消え入りそうな声でそう言った。
「ごめんね。
迷惑かけちゃって。
きっと私が原因だと思う。」
「何言ってるの?
きっとあの人の仕業だわ。
文句があるなら直接言えば良いのに。
卑怯よ。」
「こっちは生活かかってるのに。」
私が謝るとママとパパは責める事なくそう言った。
やっぱり誰の目から見ても、誰の仕業なのかは明らかみたい。