僕らのはなし。①
翌日…マコと学校に向かってると、マコと同い年くらいの男の子達が前に回り込んできた。
「ビンボー星野!」
「お前、給食費も払えないのかよ!!」
「1食抜きなんて、可哀想だなぁ。」
「先生に言って立て替えてもらえよ。」
「ちょっといい加減にしなさいよ?
私の弟にちょっかい出さないで。」
あんまりにもふざけた感じの言い方だったから、思わずマコを隠す形で男の子達の前に出てそう言った。
「星野の姉ちゃんか?」
「こわーい!!」
「行こうぜ!!」
そう言ってさっさと行ってしまった。
「姉ちゃん、大丈夫だから。」
「マコ…給食費払えてないの?」
「違うよ。
俺が出さなかったんだ。
勿体なくて。
今、パパも職探ししてるし、ママもパートに出てるし、姉ちゃんもバイト掛け持ちしてる。
1食くらい抜いたって問題ないんだし、俺だけ何もしないのは申し訳ないと思って。」
「馬鹿!
アンタは今成長期なんだから。
ちゃんと3食食べないと。
気にしなくて良いからちゃんと払って、給食食べなさい。
もし何もしてないのが気になるなら、ママの家事手伝いすれば良いから。」
「姉ちゃん。」
小学生のくせに気を使わせてしまった自分達家族。
マコの頭を撫でながら、そう伝えた。
そして、給食費を渡して送り出した。