僕らのはなし。①


それから考えたけど、案外早く決断出来た。
やっぱり暁ちゃんの言葉がきいたらしい。

次の日…学校が終わると暁ちゃんに返事をしに行く事になってたので、直ぐに荷物をまとめて帰り支度をして帰る事に。

でも、目の前に人が。
勿論それはアイツで。

「何?伊崎。」
「やっと会えた。
行くぞ。」
そう言って手を引いて何処かに連れてこうとするのを踏ん張ってとめた。

「何だよ?」
「何処行く気??」
「ラーメン食べに博多に。」
「はぁ?ラーメン食べる為だけに九州の福岡まで??」
「あぁ。
週末だし、帰るのが無理なら1泊すれば良いし。」
「ごめん。
忙しいから無理。」
「忙しいって最近いつもそうだろ?
たまには素直に従え。
もう良い!強引にでも連れてくぞ。」
「先約があるの。」
「先約って何だよ。」
「ちょっと人と会う約束があるの。
だから行けない。」
「誰だよ。
その会う約束してる奴って。
俺とソイツとの約束とどっちが大事なんだよ。」
「約束。
フフッ…また連絡するから。
じゃあね。」
申し訳ないと思いながらも、今は伊崎と遊んでる余裕もなく、笑って誤魔化してそう言って去った。

「おい!
冷たい奴。」
そう聞こえたけど、構わずに行った。



一旦家に帰って着替えると、前もって聞いといた住所を訪ねた。
「暁ちゃん?」
お洒落な外観の建物の中に不安を抱きつつ入っていくと、そう呼んでみた。

「湊、よう。
こっちで話すか。」
店の奥から出てきてそう言って案内されるまま素直についてく。

暁ちゃんだから、全く疑うとか不安になったりしない。






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