僕らのはなし。①


「じゃあうちでバイトするって事で良いのか?」
「うん、暁ちゃんの事は全面的に信用してるから。
よろしくお願いします。」
「よろしくな。
仕事内容なんだけど、基本俺とお前だけだから注文受けたり、飲み物運んだり…barの仕事も手伝ってもらう。
演奏の時はしなくて良いけど。」
「barなんだ。
…うん、了解。」
「週どれくらい働ける??」
「この店の営業時間は??」
「夜8時から夜中の3時まで。
けど、お客さん次第で伸ばしたりする事もあると思うから、休みの前の日とかは朝方まで居てもらう事もあるかも。」
「分かった。
スピカのバイトない日は夜8時から来る。
ある日は夜10時からでも大丈夫かな??」
「あぁ。
分かった。」
それから暫くいろんな話をしてその日は帰った。


それからは夕方はスピカ、晩には暁ちゃんのbarでピアノ弾いたり、注文受けたりお客さんに出したり。
慌ただしく働いた。
本当は18歳以上じゃないとお酒出す店で働いちゃ行けないって決まりがあるんだけど、そこは暁ちゃんに便宜を図ってもらった。

ピアノを仕事中でも弾けるってのは、よくよく考えてみると練習も出来るって事だから、サボらず出来て良い。
自信もつくしね。


何回か伊崎に遊びに誘われたけど、今は家計を支えたいから断り続けた。
不機嫌になっていく伊崎の対応にはちょっと困ってる。

どうしたら良いのかな?
嫌いなわけじゃないの。

凄い好きだけど、これ以上好きになるのが怖い。

アイツ無しじゃ何も出来なくなるのが怖い。





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