僕らのはなし。①
「ちょっ、伊崎!!」
「どけよ!!」
慌てて2人の間に入って止めようとすると、そう言っておされてしまった。
「やめて!
やめなさいって。」
「そうやって気に入らない事があると直ぐに手を出す。
いつか恨みを買って、湊を巻き込みかねない。
お前に湊は勿体ない。」
「はぁ?もう一度言ってみろ。」
「何度だって言ってやる。
お前に湊は勿体ねぇ。」
「ちょっとやめて!
お願いだからやめて!!」
そう言って、さっきまでより一層大きく叫ぶように言った。
「暁ちゃんは私にとって昔から安心できる、唯一のよき理解者なの。
傷つけないで。」
「おい!星野!!
もう一度言ってみろよ?
あっ?コイツが何だって??」
私の叫びで止まった伊崎にそう言うと、今度は私の方に歩いてきて胸ぐらを掴んできた。
「苦しい。
やっぱり無理があるのかも。
私達がこのまま付き合うの。」
私は伊崎から視線をはずしそう言った。
「はぁ?
何言って…」
「アンタともSJとも少し距離を置きたい。
考える時間がほしい。」
「おい!考えるって何をだよ。」
「お願いだから。
少しの間、放っておいて。」
「チッ…。」
そう言うと、舌打ちをして私を解放すると歩いていってしまった。
他の3人もその場に居たらしく、四宮さんと神崎さんは伊崎を追っていき、結城先輩はちょっとこっちを見てた気がするけど静かに去っていった。
私は見れなかったけど。
涙が流れたけど、引き留めはしなかった。