僕らのはなし。①
「何してんだよ?」
「はぁ??」
「お前、やっぱり何も分かってねぇ。
あんだけ校門前で騒いどいて、その後湊がどうなるのか考えもしねぇ。
ただ距離を置きたいって言われていじけて、学校に来ないで。
アイツの状況分かってすらねぇ。」
「どういう事だよ。」
「もともとお前がくだらねぇ事始めたんだってな。
お前はもう片付いた気で居るんだろうけど、あれだけ騒いだ後だ。
お前に媚売りたいような連中は、湊を攻撃するに決まってんだろ?
アイツ、傷だらけだぞ。
お前、無責任な事すんな。」
「てめ」
「ちょっと待て。」
俺が男に何か言おうとすると、男の携帯が鳴って手で制された。
それにも腹立つ俺。
「もしもし?
柚瑠ちゃん??
湊?
今日は喫茶店のバイトじゃないの?
えっ、ないけど。
分かった。
うん…また連絡する。」
そう言って、男は電話を切った。
「話は今度だ。」
「何だよ?」
「湊、喫茶店の方のバイトの日なのに来てねぇって。
何かあったかもしれねぇ。
じゃあな。」
「あっ、おい。」
そう言って、俺が引き留めるのも聞かずに行ってしまった。
まぁ、俺も星野が行方不明だって聞いて、ジッとしてるわけにもいかない。
携帯を取り出して、俺専用の携帯のGPSで居場所を捜し始めた。