僕らのはなし。①
ー湊sideー
あれからいろいろ考えたけど、伊崎とどう話せば良いのか分からないし、アイツは学校に来てないし。
連絡すればいい話なのかもしれないけど、自分から連絡してどうすれば良いのか分からないから結局2日経ってしまった。
全然ダメダメな自分にガッカリしながら登校すると、靴箱の蓋を開けた時、上靴の上に置かれた手紙が。
その場で確認してみると、どうやら3年の先輩からの呼び出し。
何の用なのかは分からないけど、とりあえず行けば分かるだろうと特に気にならなかった。
友達の居ないこの学校で相談出来るのは限られてるけど、今は自分から遠ざけてしまったから相談出来ないし。
警戒はしてるけどね。
行くか無視するかしかなかった。
放課後、このあとバイトだから早く済む用件である事を願いながら指定された理科準備室へ。
何故か開いてた扉。
もうその時点で…いや、もう手紙での呼び出しの時点で怪しさ満点だったけど。
中に入ってみた。
まだ15時という太陽が出てる時間のわりにどこか薄暗い。
幽霊なんて出ないよね?
マジで怖いから、早く誰か知らないけど話して私を帰して。
そう思ってたけど、来ない相手。
「えっ、何??」
暫く待ってると、扉をガチャガチャする音が聞こえ、誰も入って来ないまま行ってしまったみたいだった。
思わずそう独りで言いつつ、扉を開けようとすると…開かない。
はぁ?はめられた??
どうしよう…。
急いでポケットとか見てみたけど、携帯を教室に忘れてしまった。
しかも2台とも。
持ってなきゃ携帯じゃないのに。
「誰か居ませんか?
開けてください!!」
扉をドンドン叩きながらそう大声で叫び続けたけど、誰も開けてくれなかった。
どんどん落ちてく太陽…。
いつしか室内は闇に飲み込まれて行った。
怖くて、窓を開けたけど、どうやら3階にあるこの部屋からは出られないみたい。
高過ぎて。