僕らのはなし。①
20.家族の危機。
結局あの後も学校サボったくせに人ん家で喋ってた私は、帰ったら両親にかなり怒られた。
てか泣かれてしまって、申し訳なかった。
翌日…学校に行くと、前以上に他の生徒達から遠巻きに避けられてしまった。
ほんと、アイツ何したんだろう?
昨日サボってしまったので、マスターに謝りにスピカに行くと、柚瑠が話してくれてたらしく、謝る私に優しい言葉をかけてくれた。
暁ちゃんにしてもそうだ。
バチが当たるんじゃないかってくらい、私の周りの人達は私に優しい。
でも、ホントに恵まれ過ぎてバチが当たったのかもしれない。
「ただいまー。」
家に帰り中に入ると、また何か様子が変だった。
玄関も廊下も一見しただけで散らかっていたから。
「ちょっ、何?
どうしたの??」
「…ック。」
「ウゥッ…。」
リビングにそう言いながら入ってくと、そこでも散らかった部屋に嗚咽を漏らしながら泣いてるママとマコ。
「一体何があったの?
ねぇ…。」
焦りながらそう聞きながらも、何だかパパが急に仕事をクビになった時とよく似た状況に嫌な感じしかしない。
それに、いるはずのこの家の主の存在がない事にも不安を覚えた。
「パパが…急に知らないおじさん達に連れてかれちゃった。」
「知らない借金が、あったみたいなの。」
「どういう事?」
「急に家に来て、借用書見せられて。
払えないなら内臓でも売って返済しろって。」
「そんな…。」
マコとママの話を聞いて、私も足元が崩れてく感覚がした。
でも、泣いてなんかいられなくて、皆が皆そうだと何も解決しないから。
とりあえず2人を何とか宥めて寝かせて、簡単に家中の物を片付けながら、どうしたらパパを取り戻せるのか考えた。