僕らのはなし。①
「へぇー。
世界に1つのネックレスかぁ。
良いね、そういうの。」
「いや、嬉しいけど…何かなくしそうで怖い。」
「素直に喜びなよ。
分からないでもないけど、誰かが自分のために愛の証しに何かをプレゼントしてくれるなんてなかなかないと思うよ。
私だったらゴミでも喜んじゃうと思う。」
「だよね。
大事にしなきゃね。」
「さぁ、今日も滑りに行くよ!!」
「えぇー。
気が重い。」
「良いから行くよ。
ほら、四宮さん達も行くみたいだよ。」
そう言われて、柚瑠の言う方を見たらスキーウェアを着て、スキー板やストックを持ってホテルを出ていく四宮さんと神崎さんの後ろ姿が見えた。
「ほら行こ。
今日は私も練習付き合うから。」
「うん。」
柚瑠に手を引かれ渋々ホテルを出たのだった。
「ねぇ、聞いた?
今のはなし。」
「うん。
前から思ってたけど、あの子良い気になりすぎなのよ。」
「いつもSJに囲まれてるからじゃない??」
「気に入らないわ。」
「ねぇ、少しお灸を据えてあげないとね。」
「そうね。」
私は、私達の後ろ姿を見て、不気味な笑みを見せながらそう呟いてる人物達には気づかなかった。