僕らのはなし。①
ー純sideー
「チッ。
ムカつく。
バカアホマヌケ。」
俺は誰が作ったか分からない雪だるまに雪団子をぶつけながらそう1人悪態ついていた。
てか、ホントにアイツはすぐ物をなくす。
しかも、俺があげたものほどってのはどういう事なんだ??
ホントに俺の事好きなのか?
普通好きなら、そいつがあげた物なくすなんてしないだろ。
マジでムカつく。
「お坊っちゃま。」
「何だよ。」
突然後ろから呼ばれ見てみると、うちのSPが3人立っていた。
「理事が連れ帰るようにと。」
「はぁ?
行くわけねぇだろ。
ババァにもそう伝えとけ。」
「それは出来ません。
どんな事をしても連れて帰れと言うのがご命令なので。」
「チッ。
俺は今最悪の気分なんだよ。」
そう言って、3人の1人を蹴った。
向かってくる奴等の拳を避け、蹴りを喰らわしたりしたけど、さすがババァの忠犬達。
逆にこっちが全員で抑え込まれた。
「大人しく帰ってきて頂けますね?」
「チッ。
分かったから離せよ。」
結局折れざるを得ず、2人に挟まれる形で車に乗り込んだ。
ガッチリしてやがるからマジで狭苦しいし、むさ苦しい。
車に乗り込み発進してから暫くして、携帯に着信があった。
「邪魔。」
そう言うと、少しドアの方に身体を寄せたので、遠慮なく携帯を取り出し出た。
「もしもし?」
「おい、お前何処いんだよ??」
「はぁ?
今ちょっとややこしい事に」
「星野が大変なんだよ。」
電話の相手は新で慌てたようにそう言った。
星野、待ってろ。
必ず助ける。
「トイレ。」
携帯を切って暫くして、そう言ってサービスエリアで車を止めさせた。
「トイレまでついてくるつもりじゃねぇだろうな??」
そう言って出入り口で待たせると、トイレに入るフリをして、別の出入り口から出た。
何とか走ってる車を止めて乗せてもらうと、ホテルまで戻った。
ホテルに入る事なく、雪上バイクに乗り込むと一気に立ち入り禁止のコーンとかを倒して進んだ。
「チッ、クソ。
星野ー!!
何処だー??」
途中で動かなくなったバイクを放置して、そう叫びながら歩いてのぼる事になった。