僕らのはなし。①


厄介な行事を思い出したのはその日の放課後…皆が帰った頃を見計らって、私は鞄を取りに教室へ戻った。

すると、机の中のノートや教科書を取り出した時に、何か紙がヒラヒラ落ちた。
拾い上げてみると、花からで…そこには、
[湊、久しぶり。
最近なかなか話せないのが、寂しいです。不快だったらごめん。
顔にボール当てられたの大丈夫??
今度の宿泊学習、湊は行く??
湊も行くなら嬉しいです。
また2人で話せるようになりたいです。 花 ]
そう書いてあった。


花…。
私もまた花と普通に話せるようになりたいよ。


でも、今はまだ花が私と居て安全なのか確信が持てなかった。
アイツの制裁命令は解除されてないし、意味の分からない絡み方してくるし、嫌がらせもまだ続いてるし。
もう少し様子を見る必要があると思った。


あと、花には悪いけど、宿泊学習は絶対行かない。
だって、宿泊学習なんて言いながらただの旅行だから。
全校生徒で行くらしい。
しかも、海外…オーストラリア。
お金ないもん。
行けるわけないし、行くなら家族と国内で良いから温泉にでも行きたいよ。


そんな事を考えながら帰り支度をして、今日はレッスン室へは戻らず、柚瑠とお茶する約束をしてたので、待ち合わせ場所のバイト先に向かった。







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